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相続税

40年ぶりの民法改正で相続税が変わる5つのポイント 2019年まとめ

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2018年7月、40年ぶりの大改正と言われた改正相続税法が可決、成立しました。2019年から2020年にかけて、相続のルールは大きく変わることになります。もう知らないでは済まされない5つの主の改正ポイントをチェックしていきましょう。

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改正1 配偶者の死後も自宅に住み続けられる配偶者居住権が創設

今回の改正の目玉として、大きな注目を集めているのが配偶者居住権配偶者を亡くした後も、安心して自宅に住み続けられる制度です。配偶者居住権には、次の2つの種類があります。

配偶者短期居住権

1つ目が配偶者短期居住権です。配偶者短期居住権は、被相続人と暮らしていた自宅の所有権が他の相続人や第三者に渡ってしまった場合でも、一定期間住み続けられる権利です。退去を求められてから、最低6カ月間は住み続けることができるので、その間に引っ越し先を探すことができます。

配偶者居住権

2つ目は配偶者居住権といい、一生涯自宅に住み続けられる権利です。居住権(住み続ける権利)として、所有権とは切り離して考えられます。遺産分割によって第三者等が自宅を所有することになっても、自宅に住み続けることができるのです。

配偶者居住権のメリットは住み続けられる点だけではありません。遺産分割においても、これまでと比べてより配偶者に有利な扱いがされます。住むところを確保しつつ、その他の財産についても取得できるようになるのです。

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改正2 配偶者への自宅の生前贈与が遺産分割の対象外に

配偶者の自宅を残す方法は、相続や遺言だけではありません。贈与することで、配偶者で確実に自宅を残してあげることができます。

今度の法改正では、自宅の生前贈与、遺贈が配偶者にとって有利になります。これまでは自宅を贈与すると、相続財産の前渡し(特別受益)であるとして、相続時に受け取る財産額が少なくなることがありました。これを持ち戻しといいます。

今回の法改正により、婚姻期間20年以上の夫婦間で贈与した自宅は、相続財産に持ち戻ししないことになり、遺産分割の対象外になります。

配偶者は自宅を確保しつつ、預貯金等の取り分を減らされないこととなり、老後の生活の安定につながります。

なお生前贈与だけでなく、遺贈(遺言書によって行う贈与)もこの制度の対象です。生前贈与であれば、自分の目で贈与を確認できて安心ですが、遺贈であればじっくり時間をかけて考えられます。どちらを選択するか、検討してみましょう。

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改正3 自筆証書遺言の様式が緩和され、預かり制度も創設

財産目録作りが簡単に

これまで、自筆証書遺言はすべて遺言者の自身が手書きしなければ無効でした。

そのため、銀行口座や不動産の情報を正確に財産目録として書き残すことに苦心したものです。今回の改正で、財産目録部分に限って自筆でなくても良いとされました。

パソコンで財産目録を作成することも可能ですし、通帳のコピーや登記簿謄本を財産目録としてつけることもできるようになったのです。遺言者の手間が減るだけでなく、後に遺言をもとに遺産分割手続きをする遺族にとっても、通帳のコピー等があったほうがわかりやすいでしょう。

遺言書預かり制度の創設

自筆証書遺言についてもう一つ、遺言者の住所地等を管轄する法務局で、自筆証書遺言を預かってもらえる制度ができました。これにより預かりの際に自筆証書遺言の様式に沿っているかを法務局が確認するので、形式無効を防ぐことができます。改ざん、隠蔽は紛失のリスクはなくなるのもメリットです。法務局が保管するので、改ざん等の恐れがないため兼任が不要になります。兼任が不要になることで、速やかに遺産分割の手続きに着手できるでしょう。

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改正4 介護した親族に請求権が与えられるようになった

介護の苦労が報われる

これまで、例えば長男の嫁が義父母の介護に努めたとしても、嫁は義父母の相続人ではないため、遺産をもらえないという不公平がありました。

今度の改正では、その長男の嫁が相続人に対して金銭の請求ができるようになります。ただし、あくまで金銭の請求が出来るようになるのであり、長男の嫁が義父母の相続人になるわけではありません(相続権ではなく、請求権が与えられる)。請求相手は被相続人ではなく、相続人であることもポイントです。

払い戻しルールが明確に

被相続人の銀行口座の扱いについても、改正がありました。被相続人が亡くなったことを銀行に知らせると、口座が凍結されて遺産分割協議がまとまるまでお金が下ろせなくなるのが原則です。

ただし、当面の生活費や葬儀費用の為、100万円前後は払い戻しを受けられるのが通例で、各銀行により任意の扱いがされていました。

この点のルールが定められ、一定金額までは簡単な手続きで払い戻しができるようになりました。これにより被相続人の預金を払い戻すこと思って起こりがちだった相続人同士のトラブルを防ぎつつ、生活費等を確保できるようになります。

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改正5 遺産の使い込みや遺留分のルールも改正された

使い込みに喝

これまでは、相続人の1人が遺産分割前に遺産を使い込んでしまった場合、使い込まれた分を13290戻すには、すべての相続人の同意が必要など、他の相続人の負担が大きくなっていました。しかし、法改正により、そうした負担の軽減が図られました。

使い込んだ相続人以外の相続人の同意があれば、使い込まれた遺産を遺産分割の対象にすることができるようになったのです

これにより、別途、損害賠償請求等の手続きを取らなくても、使い込んだ分は本来の取り分から差し引かれると言う、ごく当たり前の遺産分割になり、不公平感が解消されます。

遺留分はお金で解決

遺留分制度についても、一般市民の感覚に近づく法改正がありました。これまで、不動産等が遺留分減殺請求の対象になると、その不動産そのもの一部を請求者が取得するのが原則でした。つまり不動産を共有することになっていたのです。

それが改正により、遺留分に相当する金銭で支払ってもらえるようになります。不動産は共有すると、自由に貸したり売ったりすることがで難しくなります。金銭で解決できれば、双方にとってメリットがあるでしょう。

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まとめ

いかがだったでしょうか?今回は画期的な法改正といえるでしょう。知っているか知らないかで相続の手続きが大きく変わってきます。

今回の情報が皆さんに役立てば幸いです。

 

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